不快な感情と付き合うコツ

新型コロナウイルス感染症の収束がなかなかみえない中、皆様、ストレスフルな状況が続いていると思います。このような状況では誰でもイライラしやすくなったり、怒りをコントロールすることが難しくなったりします。このような状況でイライラしたり、怒りが生じたりするのは自然なことです。しかし、怒りのままに行動してしまうと、大切なものを失ってしまうかもしれません。今回は怒りの感情も含め、不快な感情と付き合うときに知っておくと良い「感情の法則」についてお話しさせていただきます。

① 感情とは

感情とは、見るもの・聴くもの・自分の状態・周囲の状態などによって、さまざまに反応し、また変化します。つまり、感情は勝手に感じてしまうもので、自分でコントロールは出来ないものなのです。それを「こんな風に感じてはいけない」「こう思わなくては」などと抵抗しようとすると、ますますその気持ちが強くなり、とらわれてしまいます。森田療法では、本来自然な感情、それがいかに不快なものであろうと、ありのままに受け入れることを大切にしています。

② 感情の法則

1)感情は放っておけば消えていく
2)感情は衝動を満たせば、消失する
3)感情は慣れることでやわらぐ
4)感情は注意を向けると強くなる
5)体験が豊かな感情を育む

私たちは、感情のピークで行動を起こして、悪い事態を招いてしまうことがしばしばあります。怒りに駆られて行動すれば、結果として自分や周りの人達を苦しめてしまいます。それは不安でも、恐怖でも、抑うつでも同じです。
時間を味方につけながら、ピークをやりすごし、そこでその感情を受け止めながら考え、行動を整えていくことで、不快な感情にとらわれずにすみ、またそのことが自分の成長にもつながっていきます。