柚子醤油

みなさん、お元気ですか?
ここのところ、だいぶ寒くなってきましたね。
急な気温の変化に体がついていけないよ〜という方もいらっしゃると思いますが、衣替えをしたり、温かいものを食べたりして、季節の変化に追いついていきたいものですね。

さて、寒い日に温かい食べものと言えば…
そう、鍋ですね!
そして鍋と言えば〜?
そう、柚子胡椒(ちょっと強引)!

じつは、なってるんですよ。柚子が。

これはもう、作っておけば、これからの時期、引っぱりだこに違いない!
と、喜び勇んで近所のスーパーに向かったはいいのですが。
…ない!
青唐辛子、売ってません!
時期じゃないのでしょーか!?

出鼻をくじかれて呆然としていると、見かねた他のスタッフから声がかかりました。
「柚子醤油がおいしいですよ」
ユズ…ショーユ…!?
必死に餌に飛びつく鯉のように(庭で元気に泳いでいます)レシピを聞き出して、さっそく作ってみました!

まずは柚子の収穫です。

もともと柚子胡椒を作ろうとしていたくらいなので、まだ黄色く熟していないのですが。
それでも、鼻を近づけただけで、たちまち秋風のような爽やかな香りが立ち上がります。
うん、とてもいい匂いです。これならたぶん問題ないでしょう!

持ち帰って、よく洗い、輪切りにします。

包丁を入れると、柚子の香りがさっきより一段と勢いを増します。
甘く爽やかな芳香でキッチンが満たされて、まるでゆず湯に浸かっているかのようなぽかぽかした気分です。

続いて、瓶に柚子、昆布と鰹節を入れて。
上からしょうゆをどぱっとかけます。

そしてこれを冷蔵庫に入れて、約1週間寝かせます。

1週間後。

見た目は…とくに変わりありません。相変わらずのしょうゆ色です。
ここから、柚子とだしがらを濾せば、できあがりです。

さっそく、買ってきたお豆腐にかけてみました!

お、少しとろっとしています。昆布の影響でしょうか。
とりあえず見た目はいい感じです。
さて。ではさっそく、いただきます!

口に入れると、ぱっと気品のある香りが立ち上がります。
けれど、それは主張しすぎず、ふっと去って行ってしまう。
そこに、残されただし醤油の味が、後から豊かに花開きます。

味の上では、基本的にだし醤油、それとちょっとすっぱにがい、くらいなのですが。
立ち上がりにふわっと柚子が香ることで、味全体がなんだか軽やかになっているような。

初一念。
ふと、そんな言葉が浮かんできました。
物事に触れたとき、初めにふっと立ち上がってくる、素直な気持ちです。

後から、
ちょっと苦いなぁ、柚子を皮ごと入れなきゃよかった〜、とか。
湯豆腐にして食べればもっとおいしかったかな〜、だとか。
色々反省点は浮かんでくるのですが。
まあ。もう一口頬張れば。
そんな雑味はどうでもよくなってしまうくらい、鼻を抜ける柚子の香りは心地よいのでした。