言葉について

みなさん、お元気ですか?
私は、オリンピックを見てた時にテンション上がって、腕をぶんぶん振り回してたら、肩のスジを痛めました。

さて。7月19日の記事で、ブラックベリーを使った料理を作る!と意気込みましたが、すみません、現在、作業は難航しております…。
その模様は、いずれまた、まとめてお伝えできればと。

その代わりと言ってはなんですが、今回はちょっとした小話をさせていただきます。
取り留めもない内容で恐縮ですが、しばしお付き合いのほどを。

いきなりですが、みなさんは、ブルース・リーは好きですか?

私は大好きです!「Don’t think. FEEL!」、めちゃくちゃカッコいいですよね!シビれますよね!

この名言、「Enter the Dragon(邦題:燃えよドラゴン)」の冒頭部分に出てくるセリフなのですが、じつは、その後にも補足的な言葉が続いているのです。

主人公のリー先生は自ら空を指差し、お弟子さんに向かって言います。
“It’s like a finger pointing away to the moon. Don’t concentrate on the finger, or you will miss all the heavenly glory”
(雑な意訳)「(考えるということ、すなわち言葉というものは、)月を指し示す指先のようなものだ。この指先にばかりとらわれてると、あのすばらしい月そのものの姿を見落としてしまうぞ」

…深いっス、先生。
仕事帰り、ふと顔を上げると、まっくらな夜空にぽっかりと開いた穴のような、まんまるで金色の「月」と目が合った。
なぜだか無性に感動したみなさんは、翌朝、この感動を伝えようと、同僚に向かって言いました。
「月が、きれいだったんだよ…」
「ふーん、……で?」

つまるところ、月という言葉はただの記号に過ぎません。みなさんがあの時感じた「月」。その体験そのものを言葉で伝えるのは、非常に困難を窮めます。言葉というものはものすごく便利な道具ですが、その反面、言葉が切り捨てたものを見落としたままでいると、人は容易に落とし穴に嵌ってしまうのです。

そう考えると、「Don’t think. FEEL!」。きわめてシンプルに、ブルース・リーのあの鮮烈なサイドキックのように、この情報社会に生きる我々の胸に突き刺さるものがあるのではないでしょうか?

ちなみに、今回ご紹介したこのセリフ。「指月のたとえ」という仏教の教えが元ネタになっているようです。

ところで、まんまるで金色、といえば…。
もしかしたら、金メダルだけが「金メダル」ではないのかもしれないですね。
たとえ結果が残せなくても、地道に鍛錬を積み重ね、この未曾有の困難の中で勇敢に挑み、世界の視聴者に感動を届けてくれたアスリートの方全員へ、夜空に燦然ときらめく「金メダル」、そっと差し上げたいものですね。