森田療法センターでの入院森田療法(2020年まで)

入院治療

入院は森田療法の伝統的な治療スタイルです。森田療法センターでは2020年まで20床の専門病棟で入院森田療法を行っていました。入院治療は臥褥期(がじょくき)、軽作業期、作業期、社会復帰期の4期の流れからなるもので、治療期間は平均3ヵ月程度でした。

治療の段階

第Ⅰ期 臥褥期(がじょくき)
第Ⅱ期 軽作業期
第Ⅲ期 作業期
第Ⅳ期 社会復帰期


森田療法 第Ⅰ期 臥褥期(がじょくき)

原則として7日間は、病室に横になって過ごします

原則として7日間は、食事・洗面・トイレ以外は病室に横になって過ごします。さまざまな考えや感情が浮かんできますが、「はからい」(不安や症状を気にしないようにするため、さまざまなやりくりをすること)をせず、思い浮かんだものをあるがままにするようにします。期間中は治療者が一日一回程度簡単に回診を行います。

不安や恐怖をなくそうとせずに、「あるがまま」にする時期です。

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森田療法 第Ⅱ期 軽作業期

軽い作業で、気分や症状に流されず行動していくことが基本

臥褥から起床して5日間は、大きく身体を動かすような作業は行いません。
庭に出て自然にふれ、また病棟の生活をよく観察することから始め、部屋の片付けや木彫り、簡単な陶芸など、一人で行う軽い作業に携わります。気分や症状に流されず行動していくことが基本です。

周囲を観察し、一人で軽作業を行う。外界と触れ合う準備

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森田療法 第Ⅲ期 作業期

積極的に行動し、やり遂げていく「目的本位」の段階

清掃や日常生活を整える共同作業、動物・植物の世話などの作業を行います。
植物の水やり、犬の散歩など毎日必要なことは当番で行い、日々の作業の内容と担当は、ミーティングで自主的に決めていきます。よく周囲を観察し、どんな作業が必要かを考えて、作業内容を決めていくこと自体がとても大切な体験になるのです。
作業期に入ってしばらくすると、動物・植物の各グループに参加し、担当になった動植物を観察し、必要な作業を考え、話し合い、作業により深くかかわっていきます。また、月に一回程度スポーツ大会などの行事が行われ、年に2回は患者さんたちが劇などの出し物を行なう七夕会とクリスマス会も行われます。
作業期には、不安や症状を抱えながら、目の前の必要な行動に積極的にかかわり、やり遂げていく「目的本位」の行動が大切です。それらを体験することで、不快な症状に対する「とらわれ」から離れ、本来の「よりよく生きよう」という力が生かされてくるのです。

日常的な行動・作業を通じて「生の欲望」を発揮

作業期の作業内容

毎日必要なことを当番で行う
・植物の水遣り
・犬の散歩 など

必要な作業を考え、話し合い、作業により深く関わる
・動物・植物の各グループに参加、
・ミーティングに参加し自主的に担当や作業内容を決定
・担当になった動植物を観察
・その他、月に一回程度スポーツ大会などの行事へ参加

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森田療法 第Ⅳ期 社会復帰期

外出・外泊など社会復帰の準備

1週間から1ヶ月程度、外出・外泊を含めて社会復帰の準備を行っていきます。時には短期間、病棟から職場や学校に通うこともあります。

第Ⅰ期〜Ⅲ期での体験を実生活へ生かす橋渡しの期間

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