ぬか漬け②

みなさん、お元気ですか?
通勤の道すがら、桜の樹を見上げることが多くなりました。
花芽がついてるなぁ…
あと数日かなぁ…
などと思いながら通り過ぎると、知らず、足取りが軽くなっていたりします。
待つしかないことなんて、嫌なことのはずなのに、不思議とそれさえ心地よく感じられますね。
身近にある自然って、いいですねぇ〜。

さて今回は、「ぬか漬け①」の続きです。
よ〜し、いよいよぬか床作っちゃうぞ〜!
まずは分量を調べないとね!
え〜と、ぬか1kgに対して…って、あれ…
…ぬか、足りなくない?
ここにきてようやく、気がついてしまいました。
お茶碗一杯程度のお米から出るぬかでは、全然量が足りないということに!

そうか、漬けられるほどのぬかを手に入れるのも、大変なんだなぁ…
いったいバスタブがいくつあれば事足りるんだ…
(※普通、バスタブでは育てません)
どうしたものか、と頭を抱えていると、窮状をききつけたスタッフが、ぬかを分けてくれることになりました。
しかもなんとなんと、精米機までいただけることに!
くぅぅ、ありがたい!
けど、なんで持ってるんですか~!

そうこうするうちに、寒さが厳しくなってきたので、野菜のプランターを室内に避難させました。

ごめんよ、部屋でぬくぬくしながら、ちょっと待っててね~。

さあ、気を取り直して、今度こそぬか床作り、スタートです!

ぬかに対して10〜13%くらいの塩を入れ、味噌くらいの固さになるまで水を加えます。

今回は昆布でだしを取って、それを水として使いました。
せっかくなので、庭で育てた唐辛子も投入。
あとは、捨て漬けと言って、余った野菜などを漬けながら、最初の10日は1日2回、次の10日は1日1回かき混ぜ、ぬか床を育てていくのですが…

ぬぅぅ、手が入れにくい〜!

昨年梅干用に買った漬物容器、漬けて置いておく分には大変便利なのですが、手でかき混ぜるには口が小さすぎました。
それでも無理矢理手をつっこんで混ぜると、あふれたぬかがぽろぽろとこぼれ落ちます。
そのため、日を追うごとに少しずつぬかの量が減っていきます。
この調子だと、ぬか床ができる頃にはぬかがなくなっているかもしれない…

さらに…
1日2回ってけっこうキツい…
いやそれどころか、1日1回すら怪しくなってきた…
他のスタッフにも手伝ってもらいながら混ぜ混ぜしていたのですが、毎日続けるのはかなり大変。
とくに日曜日はどうしようもないので、前日に冷蔵庫に入れてごまかす作戦に出ました。
何年も、いや何十年もぬか漬けを維持しているおばあちゃんとか、ホントすごい…
そこには、奇抜なアイデアも卓越した技術も必要ありません。
混ぜては足し、混ぜては足し。
一つ一つは単純な工程です。
ただ、それを延々と途切れることなく繰り返すことがいかに困難なことか。
そんな途方もないことを、調べて得た知識だけでできるんじゃないかと思ってしまった自分が、今更ながら恥ずかしくなってきました。

でもそれも、やってみたからこそ気づけた、いい経験です。
せっかくなので、やれるところまでやってみよう。
終盤にさしかかるにつれ、だんだんと香ばしい臭いが強まってきましたが、いつしかそれを嗅ぐのが日々の楽しみになっていました。
よしよし、今日も臭いな!
心の中でにやにやしながら、ぬちゃっと手を突っこみます。

そして——

ついに、できた…!!
捨て漬けした野菜はしょっぱすぎて味がよく分からなかったけれど、臭いはいい感じな気がする!
だいぶ目減りしていますが、これだけあればなんとかなるはず!
ということで、次回はいよいよ本番、です!