ぬか漬け③

みなさん、お元気ですか?

みなさんはお花見はされましたか?
青空に綿雪のように舞う淡い色の花びら。
いいですよねぇ…
森田療法でもよく用いられる禅語に「花は紅、柳は緑」というものがあります。
他にも「眼横鼻直」という言葉もありますが、こちらは色で語っているところがまたすてきだなぁと思っています。
お花見のときも、
「数日前に来てたらもっと咲いてたのに」とか。
「他所の方がもっと立派だ」とか。
そんな考えはおいておいて、ただ「きれいだな…」と、そのままの色合いを受け取っていればいい。
そう思ったりします。

さて、前回に引き続きぬか漬けのお話です。
どうにか完成したぬか床に、いよいよ、育てた大根とかぶを漬けていきます。

小さい小さいかぶと大根。
小かぶというより、小々々かぶ。
二十日大根というより、二日大根。
といったサイズ感ですが…
でも、漬物にはこれくらいがちょうどいいかもしれない。
虫食いがいっぱいあるけれど、それもきっとおいしさの証。
半分くらいに切ったら、ぬか床にいってらっしゃい〜!

そして、翌日。
おかえりなさい〜!
ちゃんとみんな、帰ってきたかな?
お味の方が気になりますが、つづいて主役のごはんを炊いていきましょう!
まずは、精米です。

機械でやったら、粉々になってしまいました…
ここは手間がかかっても手作業でやるべきだったか…
でもまあ、食べられるからなんとかなる!
一部は精米せずに残しておいて、玄米入りごはんにしちゃいましょう!

浸漬(しんせき)して、IH対応の土鍋で炊いていきます。
ほどなくして…

ふわわ〜っと、湯気が立ち上ってきました!
う〜んっ、いい匂い〜!
甘くて豊かな香りに包まれて、湯気の繊細な陰影を眺めていると、まるで映画館でふかふかのシートに座っているみたいな気持ちになります。
これは…いつまでも浸っていられる…
うっとりと観入っていると、
パチ、パチパチ…
あっという間に上映は終わり、やがてどこからともなく拍手の音が聞こえてきました…
…あ、そうだ止めなきゃ!
慌てて火を止めて、しばらく余韻に浸り、ゆっくり蓋を開けると…

で、できた…!
湯気の中から現れた世界に、暗い館内から急に明るい外に出たように、目が眩みます。
あとは、かき混ぜてもうちょっと蒸らして…いただきましょう!


昨年度の集大成が、ここに…!
冷蔵庫の隅っこに埋蔵されていた、梅干も駆けつけてきてくれています。
一年間ありがとうございました。そして、いただきます。

小さいぬか漬けを箸にとって、ゆっくりとかみしめます。
なるほど〜、こうなるのか〜!
かぶはしんなりとした食感。
ぬか床のほどよい酸味が加わり、特有の少しクセのある甘みがまろやかになっています。
一方、大根はまだ浅漬かりなのか、コリっとしています。
それでも、ぬか床の酸味と塩味は十分吸い込んでいて、キリッとした味わいが楽しめます。
…うん、どちらもわるくない!
そして、迎え撃つごはんの方はというと、しっかりと米の香りがして、おこげも香ばしくて雰囲気満点!
玄米はまだちょっと硬かったけれど、それがまた素朴な風味を盛り上げてくれていて、むしろいい。
梅干も時間を経て角が取れた感じがするし。
これは食べれば食べるほど、元気になっちゃいそうな味です!
…いやぁ、ごちそうさまでした!!


そういえば、育てたお米のぬか、何かに使えないかな…?