なにでもない働き

みなさん、お元気ですか?
今回は、なんでもないお話をしたいと思います。

はじまりは、昨年の秋ごろのこと。
ポプリを作るなら、庭でラベンダーも育てたい!
せっかくだから、種から育てちゃおう!
きっかけは、そんな軽いノリでした。

さっそく、ホームセンターで種を買ってきました。

へぇ、こんな小さなつぶつぶなんだ!

それを、培養土を入れたポットに蒔きます。

ちょっと蒔きすぎたかな…?
でも、これだけあれば、まず間違いなく苗、手に入るでしょ!
温度が一定になる室内に置いて、毎日霧吹きで水やりをします。
シュッ、シュッ、シュッ…
楽しみだなぁ~、という期待に胸を膨らませ、勢いあまって霧吹きの霧を吸い込みます。

1か月後——

え…これだけ蒔いて、1コも出ない…なんて…
しばらく途方に暮れていましたが、どうやらラベンダーの蒔き時は春と秋と2回あるようです。
ま、まぁ、来年があるさ!

そして、今年の春。
インターネットで調べると、種をしばらく冷蔵庫で冷やしてから蒔くと発芽しやすいという貴重な情報を発見。
な~んだ、そういうことだったのか!
よし、それさえ分かればこっちのもの!
今年こそは、庭一帯に薫り高い紫の絨毯を敷き詰めてみせるぜ!

…あ、そうだ、紫といえば、ナス!
ついでに、隣でナスの苗づくりもしちゃおう!

…欲望は留まるところを知りません。

シュッ、シュッ、シュッ…!
今度こそは大丈夫だろう、という期待に霧吹きのトリガーにかけた指にも力が入り、勢いあまって空打ちになります。

そして、1か月後——

……なんでもいい。
「このぼけナス~」でも「やってラレンナ~」でも構わない。
なんでもいいから、なにか、リアクションをください……
そこに広がっていたのは、ただ黙然とたたずむ荒野でした。

たしかに、種から育てるのは難しいと聞いてはいましたよ。
だけど、ここまでとは…
くぅ、こうなったら…!!
…苗、買ってきますか。

…ということで。
作業になんの意味があるのか?
得られた結果や達成感はうれしいものですが、今回のように、それらがなくても作業すること自体がとても大事なことだと思います。
それは「こうするとうまくいかない」という結果が得られた、ということではなくて。
「なにでもない働き」そのものが大切、ということ。
…なんですが、こうして言葉にしてみると、う〜ん、言い訳にしか聞こえないですね!