剪定

みなさん、お元気ですか?
厳しい日々が続いていますね…。
森田の庭の植物たちもすっかりさびしい感じになっちゃってるんですが、彼らはただ黙って枯れてるわけじゃない。
きつい寒さの中でも、いつか来る春へ備えて、せっせと力を蓄えているんですね。

ということで、今回はそんな植物の生き様に倣って、バラの強剪定をしました!

見てください、この伸びに伸び切った枝を!
まさに、日頃の怠慢の賜物です!

これを、根本から1/3くらいのところでバッサリ切ってやりました。

いや〜、これがなかなか大変でした。

まず、トゲが痛い。
バラの方も、切られてたまるかとばかりにプスプス刺してきます。
こちらとしてもなんだか申し訳ないような心持ちになってくるのですが、心を鬼にしてえいっと切ります。

それから、風が冷たい。
寒風が吹き抜けて、枝が揺れます。そうするとまたトゲがプスプス刺さります。
なんだってこんな時期にやらなきゃいけないのかと思うのですが、きっと今だからこそバラもお休み中で、切っても許してくれるんでしょうね。
…あれ、そのわりにはトゲが痛いような?

終わりに、切り口には例年に倣って、墨汁を塗りました。

よく見ると、自分が塗った覚えのないところにも、ちらほらと黒い切り口が。
ああそうか。去年、いやもしかするともっと前の年に、誰かが剪定した跡なんだ。
最初からそんな色なんだと思って、今までスルーしていました。

それにしても、自分が切った高さより、けっこう深いところに跡があります。
自分でも気づかないうちに腰が引けていたのか、どうやら踏み込みが浅くなっていたようです。
誰もいないのに、何か大事なことを教わったような気がして、不思議とあたたかな気持ちになりました。
…あごはずっとガタガタ震えてましたが。

以心伝心、というのでしょうか。
言葉がなくても受け継がれるもの。
古い家にある柱の傷のような。あるいは、まっさらな雪の上の足跡のような。

いつかの年の人も、きっと寒さに震える手で、ハサミを握ったのだろう。
そうしてもっと古い剪定の跡を見て、きっと同じことを思ったのだろう。
そういうの、大事にしていきたいなって、思いました。