一歩を踏み出す。もし難しければ半歩でもOK。

新年度が始まり2週間が経ちましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。コロナウイルス感染症の第4波のリスクが高まる中、緊張の強いられる日々が続いるのではないかと思います。
こんな時期ではありますが、皆さんは今年度の目標を立てましたでしょうか?私は年度始まりに「今年度は○○を達成しよう」、「昨年度できなかった○○を今年こそやろう」など目標を立てるものですが、そんなにうまく達成できていないのが現実です。
森田入院病棟では、よく患者さんに次のようなお話していました。
「1年間の目標を立てることはとても大切なことですが、いつもその目標ばかりを考えていては、その大きさに圧倒されて気が滅入ってしまうものです。山登りを想像してみてください。山頂を見つめて歩いていると、一向に山頂に近づいている実感が湧かないものです。しかし、足元を見てみれば地面が流れていくのがよくわかります。不安症や強迫症の治療においても、不安を抱えながらも小さな目標を立てて、一歩ずつ、半歩ずつでも前に足を運ぶこと、これが大切と思います。山頂ばかりを見ていると、遠すぎて一歩が出なくなるものです。小さな歩幅でも着実に進むものです。山頂に目を向けたり、足元に目を向けたり、目線の動かし方が大切です。また、一人で悩みを抱えず、家族や友人、治療者など周囲の人と協力して治療の道のりを一歩ずつ進んで行っていただけたらと思います」